「こうか」の地名
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「伊賀」の地名  
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「甲賀」と言えば、忍者でお馴染みの「伊賀」「甲賀」。「甲賀」の読みは「こうが」だとばかり思っていましたが、地名の読みは「こうか」と濁らないようです。もっともATOKでは「こうが」で「甲賀」と変換されるので、使い分けされているのでしょう。

このように、甲賀の本家と言えば

【甲賀】(こうか) 滋賀県甲賀市
# 一説によると、甲賀の地名は百済から渡来した鹿深(かふかおみ)に由来すると言われる。甲賀町鹿深台(コウカチョウカフカダイ)の地名がみられる。
# 甲賀郡(こうかぐん): 鹿深・甲可・甲香などとも書く。
# 甲可郷(こうかごう): (古代)近江国日本書紀によると、「百済より来る鹿深(かふかのおみ)、弥勒の石像一躯有てり」とある。
# 甲賀(こうか): 「加賀」や「古賀」と同様に休閑地を意味する。【出典
# 「かは(川)」+「か(接尾語)」で、「川のあるところ」の意味。【出典

■ 甲賀郡(こうかぐん): 近江国(滋賀県)。近江国12郡の1つ。鹿深・甲可・甲香などとも書く。「続日本紀天平14年2月庚辰の条に初めてみられる。古代には郡内に「和名抄」の老上(おおかみ)郷、夏見(なつみ)郷、山直(やまなお)郷、蔵部(くらふ)郷の4郷があった。江戸時代には、水口に城代が置かれ、天和2年には加藤氏が入封した。【出典

# 甲賀郡に関わる交通では、斎王群行が著名である。斎王による伊勢への行幸は、平安時代以降、当郡を通過することになり、水口付近に推定される甲賀頓宮につづき、甲賀市土山頓宮には垂水頓宮が置かれている。現在、発掘調査はなされていないが、史跡として保存されている。【日本古代史地名事典 雄山閣】
# 京と東国をつなく東海道が、仁和2年(886年)に野洲川を遡り、鈴鹿越えの阿須波道をとった。それ以前は、杣川沿いの倉歴道をとった。【日本古代史地名事典 雄山閣】

ただ、ここ以外にも、全国には「甲賀」の地名が何ヶ所か見られるようです。

【滋賀県甲賀市由来と思われるもの】

■ 甲賀(こうか): 滋賀県甲賀市 

■ 甲賀町(こうかまち): 福島県会津若松市門田町大字黒岩甲賀原?蒲生氏郷が出身地の近江国の日野から一緒に移り住んだ商工業者を置いた町で、元々は日野町と呼んだ。その後、加藤氏が日と火の和訓の近いことを忌み嫌い、甲賀町とした。

■ 福島県耶麻郡西会津町新郷大字笹川甲賀休場

■ 甲賀坂(こうざか): 東京都千代田区神田駿河台にある坂の名前。元々、江戸初期にこのあたりに甲賀組の組屋敷がおかれこの地は甲賀町と呼ばれた。今は甲賀町の名は無いが甲賀坂の名は残っているようだ。

■ 甲賀(こう): 滋賀県米原市甲賀(旧伊吹町)。当初は東草野村に属し、昭和31年からは伊吹町、その後は米原市。

【独自の由来と思われるもの】

■ 甲賀(こうか): 三重県志摩市阿児町甲賀(こうか)。地名の由来は、隣接地の国府(こう)とともに志摩国の国衙の所在地として1郷をなしていたから、国衙が転訛したと言われる。

【由来が不詳なもの】

■ 甲賀(こう): 静岡県三島市佐野甲賀

■ 甲賀(こう): 和歌山県和歌山市出口甲賀丁(こうがちょう)。江戸期から現在における町名。甲賀者と関連した町名と思われるが、紀州藩では甲賀者は記録に現れず、町名の由来は不詳。【出典

■ 甲賀(   ): 兵庫県丹波市氷上町成松甲賀

■ 甲賀(こう): 岡山県高梁市甲賀町(こうがちょう)。江戸期から現在における町名。江戸期は甲賀丁と書き、松山城下の1町。おう、高梁市には「伊賀」の地名もあるんだね。


■ 甲可(こうか): 奈良時代から河内国にみられた地名。
・ 甲可郷: 奈良時代から平安時代にかけて河内国讃良郡にみられた郷名。「和名抄」河内国讃良(ささら)郡五郷の1つ。「日本書紀」の敏達天皇13年条に「百済より来る鹿深(かふかのおみ)、弥勒の石像一躯有てり」とあり、「地名辞書」は、この鹿深を当郷の一族と推定している。「続日本紀天平20年2月22日条には、東大寺に智識物を進めた「甲可臣真束」なる人物の名が見える。なお、近江国甲賀郡に、甲可一族が居住しており、「日本書紀」の天武天皇元年条などは近江国と思われる甲賀を鹿深と記しているが、当郷との関係は不明。古代の郷域は現在の四條畷市の中野・南野・清滝・逢阪付近の地域と推定される。【出典
・ 甲可郷: 鎌倉時代から河内国讃良郡にみられた郷名。

■ 高家(こうか): 山梨県笛吹市八代町高家。古くは小岡とも書いた。

■ 甲岡(こうか): 奈良県奈良市都祁甲岡町。室町時代から大和国山辺郡にみられる地名。地侍甲岡氏の本拠地で、一族には南殿荘を知行した南殿氏がいる。

■ 神下(こうか): 奈良県吉野郡十津川村神下。

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