黄泉から来た女 | |
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「黄泉から来た女 内田康夫」。今日の一冊はこれ。
物語は山形県鶴岡市大網七五三掛の地滑り現場から始まる。「七五三掛」、読める人は読めると思います。私は一応、準地元だから読めますし、由来も大体わかります。【七五三(しめ)の語源】
そして、舞台は丹後半島に移り、ヒロイン?の神代静香と浅見光彦が出会う。そいて二人の光彦が。
しかし、浅見家の「陽一郎」「光彦」「佐和子」「須美子」の名前の因縁が記されているが、もともと内田康夫さんはプロットを作らないで執筆するので有名だし、100冊以上を超えたこの作品でその因縁が披露されるのはおかしいので、内田さんも取材旅行で初めて気づいて驚いたのではないだろうか?私も驚きましたよ。
そして、静香の謎多き母親(徳子)の出身地が山形県鶴岡市羽黒町手向(とうげ)。ここは羽黒山の宿坊の町ですが、「手向」が「峠」の語源なんですよねぇ。
こういった小説を読んでいると、土地鑑の無いところは地図を見ながらということになりますが、羽黒山周辺は一応土地鑑があるからなぁ、ワクワク。
さて、今後はどう展開するのか?
ちなみに静香の母親の旧姓は「桟敷」。この名字は統計的には山形県には無いとされ、大阪府、三重県、北海道などにみられる稀少姓のようです。そして、神代静香の「神代」。これはどう読むか迷うところ。私なんぞは「じんだい」って音読みしてしまうが、名字としては「こうじろ・くましろ」と黄泉、間違い!読み、肥前国をルーツとして比較的全国にみられるようです。
今回の殺人事件は宮津市の北の伊根で始まる。伊根は船屋で有名ですが、「伊根」ってどういう意味なんでしょうねぇ?【市町村名語源辞典 溝手理太郎
東京堂出版】では、「い(接頭語)」+「ね(高くなった所)」という地名か?と書いていますが、そういう地形なのか?土地鑑がないから不明。
静香が母親の故郷の鶴岡市を訪ねる。宮津からなら鉄道で敦賀、富山、新潟を経由するのが最短だろうが、なんと13時間もかかり、イタリアに行くよりも遠いと嘆く。結局は東海道新幹線、上越新幹線経由で行くのだが、鶴岡駅から手向まで乗ったタクシー代金が高いのでまたビックリ。作中では、平成の合併で月山まで鶴岡市と書いていますが、たしかに南は鼠ケ関から、月山までと広大だから、同じ鶴岡市でも旧羽黒町の手向は遠いだろうねぇ。その点、良いのか悪いのか、合併をしなかった山形市なんて車を少し走らせれば隣の自治体だね。