日本で最も古い名字
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■ 日本で最も古い名字

参考: 河出書房新社 名字から歴史を読む方法 鈴木 亨 著

(1) 笑い話編
群馬県新田郡鈴懸村の村役場で、「日本で最も古い名字にしてほしい」と頼んだ農民に、戸籍係の担当者は「古代、というのはどうだ」と言ったところ、農民はもっと古い名字がいいというので、「では、太古では」といったが、もっと古くして欲しいというので、「それでは太古前にしよう」ということで太古前という名字に決ったので、これが一番古い名字にと言われているが、この名字は実際に今でもあるらしい。

(2) 真面目編
この本によると、日本で一番最初に付けられた最古の名字というのは不明なのだそうだが、以下の様なことが言えるそうだ。
日本で一番古い歴史書である「古事記」の中の神々の名前が連なる中で、「安曇連(あずみのむらじ)」というのが最初に登場する人名と言われている。なお「連」は敬称とのことで、「安曇」というのが名字である。

※ 安曇: 福岡市東部を本拠にした古代豪族で海産物の貢納や海上輸送に携わっていた。

※ 個人的には「安曇」が「名字」に該当するかは非常に疑問なのだが。【参考

余談ではあるが、現在この原稿はiPadで書いているが、iPadで暇つぶしに「まんがで読む古事記」を読んだが、次々に出て来る神々の名前の複雑なこと。唯一と言っていいくらい知っていたのが「天照大御神(アマテラスオオミカミ)」と「須佐之男命(スサノウノミコト)」くらい。それにしても須佐之男命が天照大御神の弟(日本書紀では子供だったようだが?)とは知らなかったなぁ。その須佐之男命の子孫が大国主神だそうだ。

それはともかく、最古の名字を辿る場合にはこれらの神々が密接に関係しているということで、古事記日本書紀を先に読んだ方が良いかも知れない。

ちなみにいくつか抜粋して記載してみたい。

♯ 安曇・渥美・熱海・天・海人・海部: 古代に海上軍事力として朝廷に奉仕した海人部(あまべ)を統率した安曇の子孫。なお「部」は「職能集団」を意味する。安曇は「水の中から生まれた綿津見神」の子孫。

宗像: 天照大御神が須佐之男命と天の安の河原で誓約して生まれた三柱の女神の子孫。宗形・宗方・宗象・棟方はその変形。

藤原: 天の岩戸の前で祝詞を奏上した天児屋命(アメノコヤネノミコト)は後に祭祀を司る中臣(ナカトミ)となり、その子孫の鎌足の時に天智天皇から藤原姓を賜った。

♯ 石辺・宗形・大神(オオミワ)・賀茂・我孫(アビコ)・神(ミワ)・長(ナガ): 大国主神の子孫。

諏訪: 大国主神の子の建御名方神(タケミナカタノ神)が、高天原の使者に抵抗して信濃の国諏訪湖に逃れ、神主の諏訪氏の祖となった。

【参考】 日本一古い名字 ・ 日本一古い名字(2)

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