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■ 「渡来人」か「帰化人」かという論争もあるようですが、ここでは「渡来人」という扱いで、日本への渡来の記録を追ってみたいと思います。
・ 古代の人口の1/3または1/4は秦氏、漢氏を中心とした渡来系という説もある。【出典】
■ 帰化とは？： 「帰化」の用語は「内帰欽化」の中華思想の産物であった。例えば、中国の後漢の歴史を書いた「後漢書」に「帰化慕義」とあるように、帰化とは中国の回りの東夷・北狄・南蛮・西戎の夷狄の人々が中国皇帝の徳化に「帰属し、欽（よろこ）び化す」ことを意味していた。「帰化」という用語を好んで使ったのは「日本書紀」で、「古事記」や「風土記」には全く使われておらず、「参渡来」「渡来」の用語が使われた。【出典】
■ 渡来人は大きく二つにわけられる。
� 。契さ�後半の百済や高句麗の滅亡に伴う朝鮮半島からの渡来。
�◆。汗さ�以降の朝鮮半島や中国からの渡来。
多くは亡命的に平和的に来訪したが、一部では来訪した現地人との間でイザゴザもあったようだ。
例： アメノヒボコが、一旦は難波に上陸しようとしたが、渡りの神に遮られ、しかたなく諸国を巡って但馬に定住した。古事記や日本書紀にはそういったイザゴザの記載はないが、風土記にま見られるようだ。
■ 近江国神崎郡（かんざき）： 日本書紀の天智天皇４年２月の条に「以百済国百姓男女四百余人、居于近江国神前郡」と見え、百済の人々が開発に従事したことが見られ、次いで３月の条に百済人の集落が建設されたことが見えている。彼ら渡来人は東大寺など南都の諸寺の瓦などを焼いたと伝えている。【出典】
■ 信濃国筑摩郡： 「続日本紀」によると、７５７年に孝謙天皇は「高麗・百済・新羅の人たちで、以前より聖化（天皇の徳化）を慕って来朝し、我が国の風俗になじみ、姓（氏）を給わることを望む者には、すべてそれを許し認めよ。」という勅令を出した。７８９年、「信濃国筑摩郡」の「宗守豊人（むねもりのとよひと）」らに「田河造」の氏姓を賜った。現在の長野県松本市の田川の地名のルーツと聞く。その後、中信から北信にかけての筑摩郡には多くの高句麗人が移り住んだ。麻績は渡来人の居住の中心地だった。【出典】
■ 渤海から出羽国に集団移民した例【日本の中の朝鮮文化（１２）陸奥・出羽ほか 金達寿 講談社】
・ 続日本紀： 天平１８年（７４６年）、渤海人、鉄利人計千百余人が帰化を求めてやってきたので出羽に安置した。」
・ 宝亀２年（７７１年）渤海の青綬大夫壱万福ら三百二十五人が１７隻の船で野代（能代）湊に着いている。
※ 渤海使は野代湊をはじめとした日本海側に３０回以上上陸したという。
※ 渤海使は７２７年からの約２００年の間に３５回来日しているが、そのほとんどが日本海側に上陸している。
■ 武蔵国高麗郡： 続日本紀によると、霊亀二年に駿河、甲斐、相模、上総、下総、下野の高麗人１７９９人を移住させて高麗郡をおいた。
■ 武蔵国新羅（新座）郡： 続日本紀によると、淳仁天皇のころ、新羅の僧３２人、尼２人、男１９人、女２１人を武蔵国の閑地に移して新羅郡をおいたとある。
■ 陸奥国： 類聚国史の巻１５９田地上によると、天長元年（８２４年）五月に新羅人辛良、金貴賀、良永白ら５４人を陸奥国に移して口分田を給したとある。また日本三代実録の貞観１２年（８７０年）２月に、太宰府管内に住んでいた潤清、宣堅ら３０人や前から管内に住んでいた新羅人らをあわせて陸奥国の空地に移せという勅令がでて、９月に彼らを武蔵・上総・陸奥に移したとある。【日本の中の朝鮮文化（１２）陸奥・出羽ほか 金達寿 講談社】
■ 渡来人の末裔 【名字でわかるあなたのルーツ 森岡浩 小学館】
・ 東漢（やまとのあや）氏： 応神天皇の時代に、中国の後漢の霊帝の子孫という阿知使主（あちのおみ）が一族とともに渡来し、大和国檜前村に住んだ。東漢氏の一族には、坂上、大蔵、原田、秋月、田尻、高橋などがある。
・ 秦（はた）氏： 応神天皇の時代に、秦の始皇帝の子孫という弓月君（ゆづきのきみ）が新羅から１２０県の人民を率いて渡来した。秦氏の一族には、長宗我部、島津、宗（そう）、川勝などがある。
・ 高麗（狛）氏： 高句麗から渡来した。
・ 百済からの渡来： 大内、右田、吉敷（よしき）、問田（といた）、鷲頭（わしず）、益成（ますなり）、仁戸田（にえだ）、黒川、江木、陶、末武、矢田、柿並。
■ 渡来人の活躍： 東大寺の大仏殿の鋳造の現場リーダーは、６６３年の白村江の戦いに敗れて日本に亡命してきた百済の徳率（とくそつ）の官人だった国骨富の孫である日本名は国中連公（君）麻呂であった。【出典】
【主な渡来氏族（その氏族の全ての系統が渡来系とは限らないので注意）】
■ 漢（あや）氏
■ 伊部（いべ）氏
■ 勝（かち）氏
■ 木（き）氏
■ 吉田（きった）氏
■ 百済（くだら）氏
■ 高麗（こま）氏
■ 狛（こま）氏
■ 科野（しなの）氏
■ 村主（すぐり）氏
■ 高野（たかの）氏
■ 田村（たむら）氏
■ 豊田（とよた）氏
■ 鳥井（とりい）氏
■ 長尾（ながお）氏
■ 長田（ながた）氏
■ 秦（はた）氏
■ 春井（はるい）氏
■ 筆（ふで）氏
■ 不破（ふわ）氏
■ 御坂（みさか）氏
■ 三田（みた）氏
■ 三宅（みやけ）氏
■ 八坂（やさか）氏
■ 李（り）氏
■ 若江（わかえ）氏
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