越後屋おぬしも悪よのう
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※ 「越後屋、おぬしも悪よのう。」これは時代劇でも有名なセリフの一つですが、いってみれば、「阿漕な商売をする越後屋」を揶揄したようなものです。では、この「阿漕」ってなんだ?これは、「強欲で汚いやり方を意味」します。そして、なんと地名由来の言葉のようです。
  
■ 阿漕(あこぎ): 三重県津市阿漕町

・ 三重県津市大倉にはJR東海の紀勢線の阿漕駅もある。

・ 阿漕が浦: 鎌倉時代から伊勢国安濃(あの)郡にみられる浦名。阿漕の浦・安濃が浦・阿古木ともいう。阿漕の名の由来については、安濃の濃を「コキ」と読み誤って阿漕になったという説、「あこ」は海子、「き」は木で、この浦に塩木を多く積んだため「あこぎ」となったという説、「安東郡専当沙汰文」(群書22)に見える「漕丁部」に由来するという説がある。阿漕の地名は歌枕としても知られ、「逢ふ事を阿漕の島に曳く網の度重ならば人も知りなむ」(古今六帖)が歌枕の初出。古伝改作の謡曲「阿漕」により流布。以後、古浄瑠璃・義太夫・草子類で広まった。神領禁漁地、阿漕での密漁発覚により簀巻にして海に沈められたあわれな漁夫平次というのが話の骨子で、後に孝子説話が付加する。歌枕阿漕の歌語詠合「度重なる」から、「あこぎ」に「度重なる・ずうずうしい・無情に」の語意が派生。歌枕として「阿漕が浦」とも。【出典
  
※ つまり、9世紀頃の話だが、この阿漕が浦は伊勢神宮のための漁場で一般には禁漁区だった。しかし、平治という漁師が病気の老母のために密漁をしていたが、それが発覚して海に沈められた。もともと禁漁区なので豊かな漁場だったこの地、平治以外にも密漁する人はあとをたたず、こういった貪欲な違法行為をすることを「あこぎ」というようになったらしい。
  
※ なお、「阿漕」という名字も高知県宿毛市を中心にわずかに見られるようだが、イメージ的には損なのかなぁ。

※ 越後屋お主もわるよのぉ〜。って、なんで越後屋なんだろう?越後屋にあくどい店が多かったのかな?それとも商家の代名詞?ちなみに江戸で一番多かったのは「伊勢屋」だったそうだが、「伊勢屋、お主も悪よのぉ〜。」では落ち着きがないか。「えちごや」は「四音」、「いせや」は「三音」だからなぁ。

【阿漕】: 古語で「繰り返し」という意味。

# 阿漕: この地は古くは安濃(あのう)郡と呼ばれ、濃の字を「こい(濃厚の意味)」と読み、「あこい」と称し、さらに「あこぎ」に転訛した。【出典

# 阿漕駅(あこぎえき): 三重県津市大倉。JR東海・紀勢本線

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