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■ 峠: 楽しい国字

・ 私の好きな国字のひとつに「峠」がある。この文字をみると、「とうげ」の情景が目に浮かぶようだ。

漢字には「象形文字」があるが、「峠」のような国字を私は「情景文字(地形文字)」と名づけた。

ところで、「峠」が国字ということは、漢字が渡来した後に日本国内で作られ、「とうげ」という音にあてたのだろう?この「峠」の漢字がいつ作られたかは不明だが、それまで山越えの地形をなんと表現していたのだろうか?

どうも、単に「坂」と呼んでいたらしい。そして、その中の代表的なものを「大坂」といったらしい。その「おおさか」が転じたのが近江国と山城国の間にある「逢坂(の関)」である。このように、日本語は変幻自在に転じるからややこしい。

ところで、「とうげ」の語源はというと、「手向(とうげ、たむけ)」といわれる。言うまでもなく、峠は今でも難所である。ましてや、古代においては大変だったろう。今でも、船出をするときにお祓いをするのと同じに、峠を越える際に、無事を祈って「手を合わせる(たむける)」。このような信仰に由来するようだ。山形県の出羽三山の一つの羽黒山の麓の集落が、手向(とうげ)である。ちなみに、出羽三山の羽黒山は黄泉への入口、月山は黄泉国、湯殿山は蘇りの出口と言われる。

そうそう、「峠」といえば、司馬遼太郎の「峠」。これは越後長岡藩家老河井継之助を主人公とした小説だが、読んだのは高校時代だったかなぁ? 

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