「神楽坂」の地名の由来

■　神楽坂（かぐらざか）：　東京都新宿区神楽坂

・　神楽坂の地名は、ここに市ヶ谷八幡宮の旅所(たびしょ)があったことによる。旅所とは祭礼の時の分祭所で、お神楽の音が聞こえて来る坂のこと。

・　西早稲田二丁目にある穴八幡宮の分祭宮である若宮八幡神社で行われた神楽に由来する。

【東京２３区の地名の由来　金子勤　幻冬舎】　

・　諸説ある。

①　坂の途中に穴八幡神社の旅所（たびしょ）があり、祭礼にそこで神楽をまったことに由来する。

②　筑土（つくど）八幡の動かぬ神輿のため、神楽を舞ったことに由来する。

【お江戸の地名の意外な由来　中江克己　ＰＨＰ研究所】

＃　牛込見付から西に上がる坂。市谷八幡宮の祭礼で、神輿が御門の橋の上に止まって神楽を奏したことに由来する。また、近くの若宮八幡で奏する神楽がよく聞こえたことに由来するともいう。【江戸東京地名辞典　芸能・落語編　北村一夫】

＃　神楽坂駅（かぐらざかえき）：　東京メトロ東西線。東京都新宿区矢来町。

①　江戸城内の田安にあった田安明神が筑土(つくど)八幡神社の隣に遷座する際に、この坂にさしかかると神輿が居座って上がらなくなり、御神酒を奉じ神楽を奏でたところ神輿が軽く上がったことに由来する。

②　市ヶ谷駅近くの市ヶ谷八幡の祭礼時に、その御旅所から神楽が聞こえたことに由来する。

③　高田穴八幡宮の御旅所が坂の途中にあり、神輿が通り、その際に神楽を奏でたことに由来する。

【地形を感じる駅名の秘密　東京周辺　内田宗治　じっぴコンパクト新書】

＃　諸説有るが、穴八幡宮の御旅所（神楽が来て、しばらく休むところ）が坂にあって、江戸城に向かって神楽を奏する習わしになっていたとする説が有力。【東京・江戸　地名の由来を歩く　谷川彰英　ワニ文庫】