言葉の言いかえ
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■ 言葉の言いかえ

最近、「言葉」の表記替えや言い替えが流行?

かつては、「障害者」を「障がい者」と表記したり、最近では「尊厳」の観点から老人の「徘徊」という表現も言い替えが希望されているとも聞く。

たしかに、その言葉の語源や意味も大事だが、その時代の人達がどういう意味(感情)でその言葉を使っているかが、より大事ではなかろうか。そもそも、言葉は時代によって揺れがあるのが一般的なのだから。

同様なことが(名字)の世界にも見られる。

たとえば、「名字」「苗字」「氏」「姓」。現代人で、これらの意味を正しく理解して使っている人がどれだけいるだろう。ちなみに私は名字派。なんですが。
概要はこちらをどうぞ。

https://folklore2017.com/009.htm

https://folklore2017.com/06082801.htm

ちなみに、以前、YOUTUBEで「名字」で検索したら多くは中国のコンテンツがヒットしたが、「苗字」で検索すると日本のコンテンツだけがヒットした。日本では、「名字」は中世の名田をルーツとして発生したもので、いわば日本古来のものと思っていたがそうではないのかなぁ?

# 織田信長: 例えば、織田信長の姓は「平」、名字は「織田」、名前は「信長」、通称(官位)は「上総介」、「織田上総介平信長」。
通称がなぜ官位か?昔は「信長殿」などと直接名前を呼ぶことはなかった。たとえば大岡忠相を呼ぶ場合には「越前殿」だし、水戸光圀を呼ぶときには「中納言殿」だ。
よく「姓名」や「氏名」という表現があるが、織田信長にそれを当てはめれば、「姓名」は「平信長」だし、「氏名」は「○信長」ということになる。なぜ「氏」が「○」か?わからないから(笑)
ちなみに、徳川家康の姓は源。

では法的にはどうか?

法務省(戸籍法)では「氏(うじ)」を正式名称として、「氏名」などと使う。文部科学省では「名字」の表記を使うらしいが、それに対して文部科学省にいつぞや質問のメールを出したが、音沙汰無し。

中世に、名田に由来した名字が沢山できたが、徳川幕府は「土地を支配する者」が用いる「名字」という表記を嫌って「苗字」の表記を広めた。そのため、江戸時代から明治時代にかけての法令では「苗字」の表記が使われた。しかし「苗字」の表記はわかりにくいのでしだいに「名字」が一般的に使われるようになった。秀吉による家康の関東への領地替えは、土地との結びつきの深い徳川家の家臣は嫌ったが、土地との結びつきを嫌った家康にとってはまたとないことだったという話もある。現代の族議員みたいなもんか?

このように、「言葉」の持つ意味はさておき、どう使われるかはその時代に応じて変わるのが常である。そういう意味では、現代においても時代に応じて、「言い替え」などがあっても良いのかも知れない。

本題に戻るが、「障がい者」の「がい」って、なんだ?本来は「障碍者」なんでしょうが、常用漢字じゃないから「害」に置き換えた?

また、痴呆老人の徘徊も、尊厳の観点から見直しの動きもあるというが、それを言ったら、痴呆の呆も「口をぼぅっと開けている状態」を表す。そういった表情の人はいるわけだから、その人達の尊厳はどうなるんだということにもなりかねない。

「言葉狩り」という言葉も現代用語だと思うが、なかなか難しい問題ですね。

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